巻き爪治療新時代到来/手掌多汗症の新薬

この4~6月、形成外科・皮膚科診療においてエポックメイキングなお薬が発売になりました。

まず一つ目は巻き爪治療用剤『リネイルゲル』。

こちら、簡単に言いますと爪に塗って硬い爪を柔らかくさせるお薬で、

『巻き爪マイスター』と一緒に使います。

当院では従来から『巻き爪マイスター』という爪矯正具を用いて巻き爪治療を行っておりましたが、

爪って硬いので開いてくるのに3~6ヶ月くらいかかり、その間ずっと矯正具を装着している必要がありました。

ところが、新しく発売された『リネイルゲル』を一緒に使いますと、

薬剤が爪の中の組織の結合を緩めてくれるおかげで爪が柔らかくなり、短期間で爪が開いてくるのです。

短ければ1週間、長くても1ヶ月で矯正具を外すことが出来ます。

画期的ではないですか?!

しかも、巻き爪というのは爪の切り方・歩き方・靴の影響・骨の形など色々な誘因があって再発しやすいのですが、

リネイルゲルありで治療した場合、再発までの期間が延長する(再発しにくい)というデータもあるのです。

嬉しいことだらけ!

巻き爪治療が新時代に突入した感があります。

先日治療された患者様も、1週間ですっかり爪が開いたので大変感動されて、

「巻き爪の人みんなに教えてあげたい」とおっしゃっていました。

「長期間の矯正具装着は履ける靴が制限されてしまう・・・」などの理由で、これまでなかなか治療に踏み出せなかった方でも、

『巻き爪マイスター+リネイルゲル』なら治療できる可能性大ですね。

こちらの治療は健康保険適用外になります。

当院での治療費は、巻き爪マイスター 1趾7,700円、リネイルゲル 1趾4,950円です。

(自費初診料3,300円もしくは自費診療通院中の方でしたら再診料1,100円が別途かかります)

そしてもう一つ、手汗でお悩みだった方には朗報です!

原発性手掌多汗症のお薬『アポハイドローション』が発売されました👏

こちらは日本初の保険適用の外用剤になります。

これまでも手掌多汗症の保険適用の治療は水道水イオントフォレーシス・内服抗コリン薬・交感神経ブロックなどがあったのですが、

イオン導入をやっている病院自体が少ないとか(当院でもやっていません)、

通い続けるのが大変とか、

内服すると多汗は治まるかもしれないがそれ以外に全身に影響が出ることも多いとか、

手掌多汗症はなかなか対応が難しかったというのが正直なところです。

腋窩多汗症(ワキ汗)の外用剤は一足先に2020年11月に発売されていて、

その頃からずっと「手汗の薬は出してくれないのかね?」と思っていたのですが、

ついに出ましたよ😭

手掌多汗があると

・プリントや書類などの紙が汗でにじんだりよれよれになる

・握手や手をつなぐなどが出来ない

・スマホやPCの操作がしにくい

・汗ですべるので楽器・スポーツなども制限される

などなど、日常生活に支障を来すことが多く、悩まれている方も相当数いると思われます。

お悩みの皆さま、どうぞご相談下さいませ。