皮膚科とは
皮膚科で扱う病気やお肌の異変は非常に多く、500種類を軽く超えると言われています。原因も非常に多岐にわたり、外的因子によるもの、内的因子によるもの、加齢からくるものなど多種多様です。こうした皮膚疾患の治療に際しては、もちろん原因を把握することが大切なのですが、まだ原因のつかめていない疾患も、しばしば存在します。
そのため、決定的な治療法が無く、根気よくつき合っていく必要のある慢性疾患も少なくありません。しかし、スキンケアと軟膏などによる外用療法、内服療法等を個々のケースに応じて適切に行うことによって、より良い状態を保つことは十分に可能です。当クリニックでは、こうした皮膚病と上手につき合うお手伝いをいたします。
健康的な生活が基本です
皮膚疾患の原因は様々ですが、特に日常生活の過ごし方が大きな影響を与えています。脂っこいものや甘いものを食べ過ぎたり、睡眠不足やストレスのたまる生活を送ったりしていると、皮膚トラブルを招きやすくなります。栄養バランスのとれた食生活をし、夜更かしを避けて十分な睡眠をとり、適度な運動を心掛けましょう。
また、ストレスを溜め込まないよう、上手に気分転換を図ることも大切です。紫外線を過剰に浴び過ぎることも皮膚ダメージにつながりますから、日傘や帽子をうまく利用して日焼け対策を欠かさないようにします。こうした健康的な生活を送ることが皮膚疾患の予防・治療に、とても良い影響を与えるのです。
皮膚科で扱う主な疾患
- ニキビ
- 湿疹
- アトピー性皮膚炎
- じんましん
- やけど
- 多汗症
ニキビ
ニキビは皮脂の過剰な分泌と毛穴の詰まりによって起こります。余分な皮脂が毛穴に溜まると面皰という状態になります。そして、毛穴に溜まった皮脂を栄養源にしてニキビの元となるニキビ菌が増殖していき、症状が悪化するのです。
思春期に多く見られますが、大人にも出来ます。この場合、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレスや生活環境など、様々な要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくいのが特徴です。
湿疹
湿疹は皮膚科を受診される患者様に、とても多く見られる症状です。ブツブツや小さな水ぶくれ、赤みなどが混ざって現れ、痒みも伴いがちです。主な原因としては、自己免疫反応や食物アレルギー、ダニ、ハウスダスト、薬疹、ウイルスなどがあります。湿疹について一般に言えるのは、皮膚のバリア機能が外部からの刺激に負け、その結果として炎症を引き起こしている状態だということです。
湿疹は痒みを伴うことが多いため、ついつい掻いてしまいがちです。しかし、掻いて治ることはありません。患部を掻きむしると、化膿や悪化を招き、患部が拡大してさらに痒くなります。まずは皮膚科を受診し、痒みや炎症を抑える薬を上手に使って患部の悪化を食い止める必要があります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹を特徴とする皮膚疾患で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮膚症状が年齢によって変化するのも特徴です。アトピー性皮膚炎を引き起こす原因については、まだはっきりとは分かっていないこともあるのですが、遺伝的な体質に環境要因が影響して発症すると考えられています。多くの患者さんは、皮膚が乾燥しやすい素因(ドライスキン)とアトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)を併せもっています。
じんましん
じんましんは、強いかゆみを伴い、丸っぽい形で僅かに盛り上がったみみず腫れが出現しますが、暫くすると消えていくという特徴があります。多くは痒みを伴いますが、チクチクとした痛みや、熱く焼けつくような痛みを生じることもあります。4週間以内に治るものを急性じんましん、それ以上の期間にわたって断続的に発症するものを慢性じんましんと呼びます。
じんましんの原因は、食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染など様々で、検査としては皮内反応や血液検査IgE RAST法、一般血液検査などを行います。しかし、慢性じんましんでは、原因が特定できないことが少なくありません。
やけど
やけどは、日常生活において最もよく見られる外傷の一つです。やかんやポットの湯、熱いコーヒーやお茶、てんぷら油、カップ麺のスープなどが肌にかかると、やけどになります。
やけどをしたら、すぐに水道水などで冷やすことが肝心です。これにより、熱による組織損傷が深くなることを防ぐだけでなく、受傷した部位の炎症を抑え、痛みをやわらげることができます。衣服などが皮膚に張り付いているときは、無理に衣服を脱いだりせず、水道水などの流水を衣服の上から直接かけます。
多汗症
多汗症は、手足やわきの汗が通常の人よりずっと多く分泌されるため、普段の生活に支障をきたしている状態です。「特に気温が高くもないのに手汗がすごく、仕事などの書類が湿ってよれよれになってしまう」「足から汗がいっぱい出て、嫌な臭いがする」「わきの汗が多く、冬でも衣服がぬれてしまう」といった症状が代表的です。このようなお悩みをお持ちの方は、皮膚科までご相談ください。